第22回研究発表会

ご案内

予定

開催日時:
20230829日() 09:00 ~ 11:50


開催場所:

近畿大学 東大阪キャンパス及びオンライン

https://taikai2023.jsise.org/home


参加費:

無料

第22回研究発表会プログラム


9:00―9:10

オープニング,趣旨説明:平嶋宗(広島大学)

 

9:10-10:30(15+5分)

○講演1:堀口知也(神戸大学)

「ChatGPTの論理的思考力について-知的学習支援システム設計の視点から-」

 

○講演2:松本慎平(広島工業大学)

「ChatGPTによる算数文章題処理能力の分析」

 

○講演3:福井昌則(徳島大学)

「計算論的思考タスクに対するChatGPTの処理能力の分析」

 

○講演4:岩井健吾(山陽女子短期大学)

「生成的AI活用のためのリテラシーとしてのモデリング能力の育成」

 

10:30-10:50

総合討論

 

10:50-11:00:休憩

 

11:00-11:50

○招待講演:佐々木雄司(Bridge UI, Inc. / 社長 兼 CTO,慶應義塾大学)

「APIを用いたChatGPTの自然言語処理エンジンとしての活用提案」



〇講演概要

 

○招待講演:佐々木雄司(Bridge UI, Inc. / 社長 兼 CTO,慶應義塾大学)

「APIを用いたChatGPTの自然言語処理エンジンとしての活用提案」

概要:ChatGPTを自然言語処理エンジンとして見ると,自由記述解答など従来コンピュータで処理が難しかったデータを簡単に扱える可能性が拡がる.しかし,通常のチャット形式での利用時には,応答が毎回異なるため一貫性を持たせたプログラミングが困難である.そこで,本講演ではプログラムからChatGPTを利用するAPIと,それをデータ分析やソフトウェアのバックグラウンドシステムにどのように組み込むかについて具体的な実装例とともに紹介する.


○講演1:堀口知也(神戸大学)

「ChatGPTの論理的思考力について-知的学習支援システム設計の視点から-」

概要:知的学習支援システム設計の立場から,生成系AIの一つであるChatGPTの論理的

推論能力を検討し,その利活用の方法を考察する.まず,ChatGPTの基本的な論理的推論能力に関する予備実験の結果を報告する.次に,ChatGPTの読解能力に関する実験の結果を報告し,その可能性と限界について検討する.その上で,ChatGPTを知的学習支援システムの設計に利活用する方法について考察する.

 

○講演2:松本慎平(広島工業大学)

「ChatGPTによる算数文章題処理能力の分析」

概要:本報告では,ChatGPTの算数文章題に対する処理能力を事例的に調査した成果を報告する.まず,ChatGPTの一般的な数学問題解決に対する性能を調査し,同時に,ChatGPTの数学問題の作問に対する性能も調査する.次に,算数文章題としてモンサクンを取り上げ,順思考の作問課題作成に対するChatGPTの性能を明らかにする.

 

○講演3:福井昌則(徳島大学)

「計算論的思考タスクに対するChatGPTの処理能力の分析」

概要:計算論的思考を育成するためには,評価方法および分析手法の構築・確立が重要と

なるが,本発表では筆者が提案する「問題変形作問」をベースとした議論を行う.問題変

形作問とは,与えられた問題を変形することで自身にとって新しい問題を生み出す活動の

ことであり,問題構造理解を促し,計算論的思考を育成することを目的としている.ここ

での中心的な話題は「所与の問題と作成した問題の差分をどう評価するか」である.本発

表では,問題変形作問について述べた上で,ChatGPTを用いた差分評価について検討する.

 

○講演4:岩井健吾(山陽女子短期大学)

「生成的AI活用のためのリテラシーとしてのモデリング能力の育成」

概要:ChatGPTを活用するうえで,(1)入力の洗練,および(2)出力の解釈,が重要となる.解くことをChatGPTに任せるとしても,この二つは人が行う必要があり,その質が活用の質に大きな影響を与えることになる.したがって,この二つをChatGPT活用のためのリテラシーとして身につけることが重要になると考えられる.この二つが適切に行えるために,対象に対するモデルを持っていることが必要であるといえ,対象のモデリング能力がこのリテラシーの本質を考えられる.モデリング能力の育成自体はこれまでにも行われているが,多くの場合,モデリングが必須となるような複雑な対象を扱っており,高度な専門性が前提となっていた.基礎リテラシーとしてのモデリング能力の習得を指向した場合,誰もが解ける対象に対しての価値のあるモデリングを課題化する必要があると考えられる.そこで本研究では,算数文章題に対して提案されている三量命題モデルを対象としてモデリングの課題化の試みており,文系大学生を対象とした実践を段階的に進めていることを報告する.